自転車のカスタムは足回りから② ~タイヤ交換~ 太さ(幅)を変える時に注意するポイント
三島店より失礼いたします。
”オシャレは足元から!”
”カスタムは足回りから!”
『ホイール交換するとお金がかかるから、今使っているホイールはそのままで
タイヤだけ変えてみようかな?』という問い合わせも多いので、今回はそんなお話を。
”乗り心地よくするためにタイヤを太くしたい!”
”もっとスピードを出すためにタイヤを細くしたい!”
”あのかっこいいタイヤに変えたい!”
”ブロックパターンは抵抗が大きいからツルツルのタイヤに変えたい!”
”ツルツル(スリック)タイヤからゴツゴツタイヤに変えたい!”
など、タイヤを変えることで乗り心地や走行性能などを変えられるので、
より使用用途に合わせることができるようになります。
ただ、どんなタイヤでも自由に選べるわけではありません。
そこで、ホイールはそのままでタイヤだけ変更する場合のチェックポイントをご紹介いたします。
POINT1.タイヤのサイズはETRTOで確認
先日のブログでもご案内した通り、タイヤにも色々な規格、表示形式が存在していますので、
タイヤのサイズを確認するなら、ETRTO表記のもので確認するのがオススメです。
変更前のタイヤの側面に”〇〇―〇〇〇”と書かれている数値を見つけてみてください。
後半の3桁の数字(ビート直径)が同じものが、基本的には交換可能なタイヤになります。
(例)左の写真だと”28-622”がETRTO表記の数値です。
POINT2.ホイールのリム幅の1.4倍~2.4倍が目安
タイヤの幅を変更したい場合、
ホイールメーカーによっては、推奨のタイヤ幅というものを公開している場合もありますので、
その場合は、推奨幅を優先しましょう!
※ブレーキ(本体)にもタイヤの適正幅が設定されている場合もありますので、
併せて確認しましょう。
もし、その推奨幅が公開されていない場合は、ホイールのリム幅の1.4倍~2.4倍が目安
になります。(最近はワイドリムホイールも増えてきましたので、目安の範囲も変わっていくかもしれません)
※リムの内幅になりますので、タイヤを外してから測定する必要があります。
ただ、これも目安であって絶対ではないというのが現状です。
というのも、同じサイズ表記であっても、
空気圧の設定も違いますし、商品毎にタイヤ幅(実寸)も異なるからです。
したがって、理論上は適正範囲内であっても実際には適正範囲を越えている場合もあります。
適正範囲を越えてしまうと、走行中にタイヤが外れてしまう可能性が高くなってしまいます。
(不安な方は、目安範囲のギリギリは避けておいた方が良いかと思います。)
まずは、メーカーの推奨範囲を検索しましょう。
POINT3.フレームとタイヤの隙間(クリアランス)
ロードバイクやクロスバイクなどの場合は特にそうだと思いますが、
上記の適正範囲の幅よりも、こちらの方が制限がかかることがあります。
(MTBも最近は”太めタイヤ”が流行していますし、
乗り心地向上のために”タイヤを太くしたい”というカスタムの相談も増えてきました。)
タイヤを太くしようと思った場合に、変速機やブレーキ、フレームなどに干渉してしまう可能性があります。
干渉してしまうと、スムーズに回転しなくなってしまうのでNGです。
ただ、こればっかりは実際に試してみないことには、わかりません。
タイヤに書かれている数値(23Cが23mm、25Cが25mm、28Cが28mm)というのは、
目安であって実測値は異なる場合の方がむしろ当たり前です。
(実際に、同じサイズ表記のタイヤでも種類を変更したら、フレームと干渉してしまった事例もあります。)
リム幅によってもタイヤの幅、高さは変わります。
リム幅がせまいものに取り付ければ、タイヤは縦に伸びますし(たまごのような形)、
最近、流行しているワイドリムに取り付ければ、より真円に近づいたり、つぶれたような形になります。
ブロックタイヤかスリックタイヤなどタイヤのパターンでも変わってきます。
もちろん、空気圧によっても変動します。
実際につけてみないと正確にはわからないので、
まずはタイヤの外周をぐるっと見回して一番近い場所との間隔を確かめて、
”これぐらいならいけそうかな?”と検討する形になります。
(ワンサイズぐらいの変更であれば、可能な場合がほとんどですが、絶対とは言えません。)
”やってみてダメだった”というのはカスタムする上では通らなければならない道とも言えます!
そういった試練にも負けずに挑戦していく気持ちを応援します!!
タイヤの幅を変えるとどういう違いが出るのかを簡単にまとめておきますと、
タイヤの幅を細くすると
メリット:
・ 接地面積が減り、摩擦抵抗の減少
・ 軽量化
デメリット:
・接地面積が減り、グリップ力の低下(走行時により注意が必要になります)
・タイヤの空気量が減少。クッション性が低下して乗り心地は悪くなります。
※接地面積に関しては、条件(空気圧の設定やリム幅など)によっても違いが生まれます。
~その他の注意点~
空気量が少なくなると、同じ量の空気が抜けた時に全体量に占める割合は多くなりますので、
よりコマメに空気圧の管理が必要になります。
細いタイヤは高圧に対応しているモデルも多いですが、
ホイール側にも適正空気圧の範囲というものが設定されているものがありますので、
ご注意ください。
加えて、細かい事になりますが、タイヤの幅を変えると、
タイヤの高さも同時に変わりますので、自転車の高さ(BBの高さ)も変わっています。
高さが下がると、自転車を倒した時にペダルが当たりやすくなったり、
高さが変わることで自転車の安定性も変わります。
また、細いタイヤになるほど衝撃がホイールやフレームなどにも伝わりやすくもなりますので、
自転車へのダメージは強くなってしまいます。
タイヤの幅を太くすると、細くする場合の逆になります。
こぐのが”重く”なりますが、
グリップの向上、乗り心地UPにつながります。
タイヤ幅を変更した場合は、チューブも変更する必要がある場合がありますので、
併せてご注意ください。
ここからはあくまで、個人的見解(余計なお世話)になりますが、
過剰なタイヤ幅の変更はオススメしていません。
もともと、メーカーは全体のバランスを見極めてフレーム設計やパーツ構成を
しています。タイヤ幅を変えることにより、そのバランスを崩してしまいますので、
安全性や快適性を損なうことにつながります。
(もちろん、メーカーの保証対象からも外れます)
なので、タイヤ幅もワンサイズ程度(少しだけ)の変更であったり、
ブロックパターンの変更や、同じサイズでもより質の良いタイヤに変えるなどの
カスタムをオススメしています。
「タイヤを細くすれば速く走れるようになる!」という情報ももちろん間違いではないと思いますが、
グリップ力や、振動吸収性も大事な要素です。
車重やリム幅(ホイール)など条件が異なれば、同じタイヤ幅でも走行感は変わりますので、
他人のインプレ記事通りになるとも限りません。
タイヤと地面の接地面積に関しても、太いタイヤでも空気圧によっては接地面積は細いタイヤと
さほど変わらないというデータもあります。
細くする(軽量化する)ことによるリスクもふまえた上で
自転車全体のバランスも頭の片隅に置いておきながら、カスタムをご検討していただけると
より良いカスタムにつながるかもしれません。
”タイヤを太くすると重くなる”と聞いていたけど、
”想像していたより重くならなかった”という場合もありますし、
プラシーボ効果というのもあるそうですので、何が正解かは本当によくわからないですね。
これらを踏まえたうえで、色々と試してみて”違いを体感”しながら、
自分に合った自転車を模索していくのは楽しいですし、
それが遠回りに思えても”自分だけの自転車”への近道でもあると思います!
もちろん、ご相談だけでもお気軽にご来店ください。
参考:(外部サイト)
SCHWALBE(シュワルベ) タイヤサイズの表記例一覧(PDFファイル)
タイオガ タイヤ スペック一覧表 (PDFファイル)
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